ここに一見全く相いれない
「支配したいという人間」と、
「自由のために生きていたいという人間」がいたとする。
けれど実際には、
この両者はともに「ひとつになりたい」という
自我の希望が生みだした、
同じベクトルを持つ人間である。
両者が否定しあえば、争いは必至である。
けれどもこの両者は、
もしも共有し共存することを望めば
融合することが可能なのだ。
この場合支配したいという人間は、
強力なリーダーとして自由を守るために働くことができるだろう。
そして自由のために生きていたいと願う人間も、
この指導者のために存在したいと
願えるように変わるのだ。
このように自我世界は融合するための元素であり、
各々が変化にあわせて成長する。
さらにこの場合、
結合した両者は
それぞれが単独で存在するよりも、
はるかに強い自我の希望をもつ。
「求める者」から「創り出す者」への変容。
それは「引きつけるだけの重力」から生まれた
新しい世界を創造する
「核融合反応」への変化である。
このように自我のもつ希望
あるいは「求める心」は、
自我世界における「重力」であり「電磁力」である。
生命世界における
命と命がお互いに引きあう力「本能」も、
我々の自我世界では「自我の希望」と同じ
「重力の概念」なのだ。
同じものを求める統合された力。
自我世界をもつこと、
それ自体が人間という生き物の本能なのだ。
そこには求める心があり、希望がある。
それが人間を構築する重力である。
この力学を運ぶ為に
全ての世界は存在する。
全ては存在ではなく力学なのである。
このように人間が何かを思う心、
そして何かとつながりたいと願う想いの全ては、
次元原理によって生みだされた
融合へとつづく道筋(ベクトル)である。
「人は一人では生きられない」のではなく、
「人間は人間(世界)と生きることによって人間となる」。
人はひとりで生きてはならないのだ。
この「次元原理」によって成りたつ世界で、
人間のあるべき姿は
何時いかなる時も「共有と共存」へと向かう。
そこに重力(希望)がある。
そのことさえ見失わなければ、
あなたは優れた船乗りとなり、
あなたの航海は
より豊かな海へとつづくものとなるだろう。
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