第20章
世界を統合する共通の言葉
20-1内側と外側に区別はない
大統一理論が存在するということは、
あらゆる現象が全て同じ構造と同じ力学を持つ、
ということである。
「存在する点」が
体積や面積、長さも持たず、
存在しないものであること、
これは宇宙の原初にある「無」が
同じ構造を持つ為である。
この為に「存在する点」には
無限大の奥行きが生まれ、
それが連鎖として存在と力学は同じものである。
内側の無限大の奥行きと
外側の無限大の広さは同じものとして
そこに世界は誕生する。
「あなたという点」もこの世界と同じで
内側と外側に無限大に広がる領域を宿している。
すなわち本来存在するはずのない
内側と外側の境界線に位置する概念、
それが次元世界であり宇宙であり
我々人間である。
これが大統一理論であり、
本論文の語る「次元理論」である。
我々は日々の暮らしの中で、
誰かを否定したり、
あるいは誰かから否定された経験を
少なからず持っている。
そして否定された場合にも
明らかに自分の誤りであると判断できた場合には、
今後はまた共有しあうことは出来るだろう。
けれどもそれが「無理やりな統合」であったり、
あるいは「一方的な否定」の結果だとすると、
その後には他者に対する「否定の心」しか残らない。
つまり何かを否定することは、
そのままで何かから否定されることと同じである。
さらに「何かのために全てを否定(犠牲に)する人間」は、
その何かから否定された場合には、
自らの存在の全てを失うことだろう。
このように今
「自分が存在する」ということは、
可能な限り多くのものと共有する、
あるいは何かと深く根底まで理解し合うということである。
共有と理解は、
「自我の器」とも言うべき
人間の居場所なのだ。
ここまで次元理論がしめして来たように、
自我世界が次元世界として存在し
次元世界としての資質をもつものであれば、
自我世界は広がることにおいてのみ
この宇宙に存在する。
存在(実在)するとは常に
「力学の拡大する状態」である。
そして自我世界が広がるとは
「共有し共存すること」であり、
それは自分も含めた多くの次元世界への理解によって
自らの中に新しい領域を開拓することである。
それは同時に他の次元世界の中に
「あなた自身を拡大する」ことでもある。
これは「他者の空間の中に自らの世界の空間を広げる」ことであり
「自分の中に他者の次元世界を広げる」ことと同じベクトルである。
その結果双方はより多くの価値観を覚え
「お互いに成長(拡大)する」という原因を生む。
我々の宇宙では結果は常に原因と等しい。
これが科学なのだ。
それゆえ自我意識に宿るそれら多くの価値観は、
最終的には人間自身の存在を変えていく。
このように自我世界は
広がりと結びつくために、
日々のあらゆるものとの出会いの中で
共有と共存とを確かめている。
従って一つの価値観だけに執着し、
自分とは相いれないもの全てを否定する人間は、
やがてその自我世界にも終焉をもたらすことだろう。
元々無と同一の「実体」である自我世界は、
その初期からあらゆる次元世界との理解と共有によって
形成されている。
そして自らの世界に外側の宇宙を取り込むということは
「学ぶ」という事であり、すなわち理解する事、
これは共有という相互理解によって
外側の宇宙に自己の領域を与える行為である。
このように「学び」の目的は拡大することにあり、
「外側の世界を自らに取り込む」とは
自己の再発見として
同化や融合と同じ物理学である。
人間の理解力や共感力、
悟り、覚醒といった感覚の全ては
この同化(拡大)の為にある。
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