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2019年12月3日火曜日

(連載10)10-3生命という「存在する無」






生命は、物質世界の昇華した新たな「次元世界の起点」であり
存在そのものが生命世界拡大の可能性である。
次元世界の起点はいつも同じ実体の連鎖であり、
無の連鎖するただ一つの力学である。
そしてその実体の力学が命の次元世界に現れたもの、
それが本能と呼ばれる生命力学なのだ。


したがって「生命世界」の構成要素は、
「点×線×面×空間×時間×物質」の6つであり、
生命世界は「第6次元世界」に該当する。


もちろん生命世界も物質世界と同時に存在し、
物質の概念を共有する実在の「概念宇宙」である。
このように「命の概念」は「あるとない」との狭間に位置し、
生命世界(実体の連鎖、世界の本質「完全無」)をつなぐ
無数の「存在する無(個の実体)」である。



世界の大原理、実体の無限大の連鎖が完全無という
ただ一つの図式はここでも変わらない。



したがって次元理論では、
「生命世界をともなわない」無限大の大宇宙は、
この世界には存在しない。


この宇宙に、空間も時間も物質も
「全てが無限大」という条件が与えられれば、
物質たちはあらゆる条件下であらゆる結合方法を
ためすことが出来たのである。


「次元世界存続のための必要十分条件」として考えれば、
物質世界に依存しない生命世界はなく、
生命世界をともなわない物質世界もまた同様に
この宇宙には存在することが出来ないのである。


このように我々の宇宙では、
無機物から有機物が生みだされ、
やがて生命の誕生へとつづく「命のシナリオ」は、
あらかじめ確約されている。




したがって有機物は
「無機物の多様性がもたらした特殊な無機物」であり、
そして「有機物の多様性が生みだした特殊な有機物の構造」
が生命である。


つまり「生命の概念」は、
宇宙における奇蹟ではあるが、
列記とした必然の中で創生されている。


「物質」が永遠の連鎖を求める「空間と時間」であれば、
「命」とは永遠の連鎖を求める「物質」なのだ。



このように「次元共有の大原理」における結論としては、
生命世界の起点となる「命」も
他の全ての「次元世界の起点」と同様に
「存在する無」である。


それは「線世界」を構成する「点」と等しく、
生命世界を構築する唯一の構成要素「実体」である。



そして命が「存在する無」である為に、
命には無の永遠の連鎖として
無限大を生みだす能力が宿る。


無の永遠に連鎖する力学、
世界が完全無であることの証である。


これが生命原理であり、
ここに命の法則は生まれる。
本能という力学を宿した物質、それが生命なのだ。




たとえ5次元世界に浮かぶ「ひとつの生命世界」が、
環境の変化などによって傷つき失われたとしても、
無限大に広がる大宇宙にとっての「生命世界」とは、
永遠に続きかつ無限大に広がる次元世界である。


そこには存在する全ての生命世界に共通する
同じ目的がある。
生命の概念を拡大し多様性を持つこと、
それが世界の持つあらゆる可能性と
空間の広がりである。


したがって「無」や「物質世界」という
次元世界のつながりのその先に、
「生命世界」は存在する。



つまり「生命世界」は、
それだけでひとつの次元世界として、
ひとつの宇宙なのだ。


そのために生命世界から
「本能(連鎖の力学)」という構成要素がぬけ落ちてしまうと
後には「物質」しかのこされず、
この「物質世界」が生命世界の基盤としての「無の概念」である。


逆に物質世界における「生命世界」も、
それはただの概念にすぎず、
命は物質世界に「存在するもの」ではない。


命は単に、物質世界の構造であり
物質もただの空間の構造である。

その本体は
存在しないものが存在を続ける、
ただ一つの宇宙の「力学」なのである。



このように「命」とは、
「無の概念」である物質世界をその背景として
「生命世界」という新しい次元世界を構築する。


そしてあらゆる次元世界において
「実在する無の概念」の向かう先は「無限大」であり、
だからこそ生命世界にも命題としての
「生命世界の繁栄(命の無限大へと向かう連鎖)」がもたらされ、
あらゆる「命の法則」は創りだされたのである。




つまり生命世界では、
「生態系」という形で命はお互いに支えあいながら、
生命世界全体のあらゆる可能性が模索されつづけたのである。


弱肉強食という形式はその側面にすぎず、
その真意は生命世界全体の繁栄と「概念の拡大」にある。


こうして生命世界にも
他の次元世界と同様に「広がること」のみが、
その存在意義として与えられている。



つまり次元世界の存在意義を、
生命世界のもつ現実的な原理法則として位置づけたものが
「世界原理」なのだ。
したがってこの「次元共有の大原理」が、
「生命世界」を司る、全ての原理や法則を創りだした
唯一の現実である。

 
生命をそだてる奇蹟の星、太陽と地球。
生命を誕生させる命の石、有機物。
生命に飛躍をもたらす生命の秘法、遺伝子。


そのいずれもが「次元共有の大原理」によって
この世界にあたえられた「次元創造の力」である。


その為に命の一つひとつには、
その内がわに「次元共有の大原理」がふくまれて、
それぞれが無限大に広がる可能性を宿している。



命が単体としてもつ環境への対応力とその変化。
ある生命が種族としてもつ適応力とその進化。
生命世界全体をさらに広げる生態網とその多様性。


そのいずれもが「命」という
生命世界の構成要素にふくまれた、
「次元共有の大原理」の発現、そのものである。



無機物を有機物へと創りかえる植物世界、
植物世界を糧に広がりつづける動物世界、
さらにその下にはいつでもやり直しができるようにと
微生物世界が広がるという、
現在の生命世界がつくりだした構造。


この生命世界の望みは、
より強い耐性をもち拡大する可能性に満ちた世界を
創り出すことにある。
そしてその根幹で世界を構築する力学が
「命は命と引きあう」という原理(本能)である。


全ての命は他の命に引かれ、
同時に命を求めるものである。


これは物質世界で原子が「重力」や「電磁力」をもち、
それぞれの物質間でお互いに引きあうのと同様に、
生命世界における「生命の重力」として発現する。


そして「原子と原子が引きあう力」が
この宇宙の重力から核融合反応までのあらゆる現象を構築するように、
「生命の重力」は生命の発現から生態網の形成まで、
その全てを司る生命世界の根幹なのだ。



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