第18章
拡大に導く「融合と創造」
「宇宙が存在する」は正しい表現ではなく
「宇宙は拡大する力学」という認識が
より正確な宇宙に対する理解である。
「拡大する」とは状態をあらわす言葉であり、
宇宙や次元世界は現に「存在するもの」ではなく
「拡大する」という「力学の状態」なのである。
時間、空間、世界、など
あらゆる宇宙は固有に存在するものではなく、
存在の部分を持たない「力学の一部分」である。
何故なら全ての「存在するもの」は
最終的に点に集約されるものであり、
この点自体は体積も面積も長さも持たない
「存在しないもの」である。
この「存在しない点の連鎖する状態」が線であり、
面や空間、物質の「存在する要因」である。
したがって力学の一つの状態、
すなわち存在するベクトルが宇宙である。
無はそれだけで無限大の連鎖である。
永遠に完全に何も存在しないという
無の連鎖。
この「存在しないのに存在するもの」が
全ての状態を持たない「点の本体」なのだ。
この為に無の連鎖として点は無限大に連鎖し、
この連鎖の状態が「拡大する宇宙」として
我々人間とも同じものである。
これが「実体(無)の科学」である。
人類は早くこの現実を理解しなければならない。
これが本物の科学である。
そして「拡大する」というベクトルを世界に体現するものが
「融合と創造」という構造である。
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「実体の科学」による新た視点によって
「自我世界の命題」だけでなく、
「あらゆる次元世界に共通の命題」が
「融合と創造」にあることを
我々は既に気付かされたはずである。
「次元共有の大原理」は
次元世界のすべてを統括する
「世界の存続と拡大の大原理」である。
いま「次元世界のすべて」と述べてしまったが
それは概念を区分けした人間の捉え方に過ぎず、
世界は元々ひとつである。
このひとつの世界が拡大し、
あらゆる「概念の方向」へと
連鎖を続けるのだ。
ひとつだけの世界の
存在するただだけの一つの理由。
それが「概念の連鎖」として
あらゆる存在を統括する大原理である。
そしてこの大原理が
「自我世界」において発現するときに、
「共有して共存する個性の創造」という
人間の指針ともなるべき基本法則へかわる。
従って物質世界、生命世界、精神世界、自我世界と
次元世界の枠組みは変わっても、
同じ世界として
全ての次元世界は同じ目的を所持している。