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2019年8月20日火曜日

(連載8)8-2ブラックホールと呼ばれる太陽



 
では「光」が重力の影響をうけず、
ただ空間距離に対してのみ絶対的に運動する空間波であるとして、
なぜブラックホールの中から「光」は
抜けだすことができないのだろうか。


一般的な認識としてブラックホールは、
我々には見ることのできない光を発しない天体である。
しかしブラックホール本星では
創造を絶する原子活動がいとなまれているはずであり、
本来はもっとも激しく輝く天体でなければならない。


あるいはこれも空間自体が
光速度でブラックホールにのみこまれていくため、
とする解釈も成りたつことだろう。
だがそれだけでは、ブラックホールは
光速度で「近づく天体」ともならなければいけないのだ。


現在、我々の銀河系の中心部には
巨大ブラックホールが存在するとされている。

けれども銀河系が、
1年間に1光年以上も縮むというような事実は報告されていない。
このようにブラックホールとは、
ただ光速度で空間を引きよせるだけの天体ではないのだ。
ではなぜ光は、
ブラックホールから永久にぬけだすことが出来ないのだろうか。


その結論はいたって簡単である。
それはブラックホール自身の発する「太陽風の累計速度」が
光速度をこえればよい、というだけのことである。


質量をもつかぎり物質は、永久に光速度に到達することはできない。
物質はその移動速度を上げれば上げるほどに
その質量を増加させて
光速度に近づくにつれて無限大に重くなる。
(つまりビックバン初期にあったとされる
光速度を超える質量の膨張はありえない)


けれども太陽風という「空間の流動現象」においては、
空間は質量をもたない。


そのために空間に加速度が加わりつづければ、
太陽風の累計速度はやがて光速度をも超えていくだろう。
さらに先ほど述べたように、
重力による空間の収縮速度も同時に光速度へと到達するという、
このような状態になれば「巨大な太陽」は、
現在我々がブラックホールだと認識する天体になる。



そこには我々から見て「相対的に」光速度0(動かない光)、
すなわち「見えない」という状態が出現する。
そしてブラックホール本星は決して小さな天体ではなく、
ただ空間自体がはげしく収縮(膨張)するために、
我々からは小さいと認識されるだけの天体となるのだ。


つまり実際には明るく、
かつ膨大に広がりつづける空間(内側に向けて)をもつ
巨大な恒星系がブラックホールなのである。


全ての恒星が「遠ざかる太陽」であったように、
ブラックホール本星も我々の宇宙からは
「光速度で遠ざかる太陽」なのである。



このように次元理論であれば、
我々の宇宙に「特異点」は存在しない。


太陽などの無数の恒星群では、
核融合反応や原子核の収縮反応によって新たな原子が生まれている。
それは同時に、原子とその時空を
新たな空間(5次元)へと戻す作業である。


そしてこのとき原子から発生した新たな空間は、
「太陽風」としてそれぞれの太陽系を広げる。


ブラックホールもこの例にもれることなく、
ただ発生する太陽風の累計速度が光速度に達しただけの、
ひとつの巨大な太陽系にすぎない。


そしてブラックホールのもつ大質量の重力のために、
周辺の空間の収縮速度もやはり光速度へと到達する。
このような状態になればブラックホールは、
「その中心へと空間を広げつづけるだけ」
という恒星系をつくりだせるのだ。


そのために光でさえ抜けだせないブラックホールの周りでも
エネルギーは噴出し、
巨大ブラックホールのまわりでこそ、銀河系が形成されていく。


ブラックホールに向けて質量が流れ込み、
物質が消滅に向かうのではなく、
ブラックホール自身が質量を育てているのだ。


もちろんそのエネルギー(と物質)を放出するのは、
ブラックホールの入口付近でおきる
「原子核収縮反応(物質の創造)」である。


ブラックホールや太陽も、
質量と空間を生みだしつづけるという点では
「同じ恒星」であり、
その存在にかわりはない。


つまりブラックホールに落ちこんだ物質は、
たとえ重力に引かれ光速度にたどりつけたとしても、
ただ光速度でひろがり続ける無限大の太陽風に出会うだけである。


このようにブラックホールの外がわからは、
ブラックホール本体とは永久に接触することはできない。
これはその空間の外がわから見れば、
その物質がブラックホールの直前で停止しているような状態として
認識されることだろう。


すなわちブラックホール本星は、
無限大の空間の彼方に存在する、
別の世界の宇宙である。



したがって5次元世界は常に広がりつづけるものであり、
4次元世界・時空を一枚の平坦なタイルとしてとらえれば、
5次元世界はタイルの上にも下にも、
無限大に存在することができるのだ。


この宇宙ではそのはじまりにも、
そしてその果ての宇宙にも、
どこにも特別な世界は存在しない。



さらに宇宙の外側へと目を向けてみると、
我々にはこの宇宙の果てのさらにその向こう側の世界は、
決して見ることはできない(もちろんそこにも別の宇宙が存在する)。


それは宇宙の果ての向こう側の宇宙と我々の宇宙とは、
おたがいが相対的には光速度をこえる速さではなれていくからである。

これがその「それぞれの宇宙」が生みだす、
無数の恒星群あるいは銀河群の「太陽風の累計された速度」である。

質量をもつものは光速度をこえることはできない。
しかし空間にはもともと「質量」の概念はない。
したがってこの空間の流動現象のみが、
ゆいいつの光速度を生みだせる存在である。


ブラックホールがつくりだす空間の収縮速度、あるいはその膨張速度、
宇宙の果てとなる「我々の宇宙」の太陽風の累計速度(あるいは収縮速度)、
そのいずれもが光の速さではたどりつけない別の宇宙である。


したがってそこが「我々」にとっての空間の限界点である。


この「空間限界」が、我々の宇宙の外がわにも、
そしてその内がわにも同様に存在してしまう以上、
我々には「この宇宙」がもともと何処に存在しているのか、
一概に断定することは出来なくなる。


そしてこの「太陽風の累計速度」による空間限界点の拡大、
これが我々の宇宙の「加速膨張の謎」の答えなのだ。
このように我々の宇宙に例外はなく、
ビックバン理論も広がる宇宙という現実に驚いた我々が
ただこじつけただけの、勘違いに過ぎないということがわかるだろう。

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