第12章 「想いが生まれる世界」
精神世界の発現
12-1拡大は多様性と等しい
ふたたび次元世界が持つその構造について
探究をつづける。
第6次元「生命世界」が
次の概念世界として生みだした新たな次元世界、
それが「精神世界」である。
これは永遠の奥行きと永遠の広がりを持つベクトルが、
新しい概念を創造しさらにそれを拡大する、
無限大の無の一部分である。
無限大の空間から物質が生まれた。
無限大の物質から生命が誕生した。
そして生命に網羅された世界から
「精神世界」は創られたのである。
そしてその根底が完全無である以上、
全ては「同時」であり、等価であり、
個であり全てである。
こうして生命世界(精神世界)は
その繁栄のために必要となるあらゆる原理や法則を
全て「次元共有の大原理」によってあたえられる。
これは「存在」ではなく「ベクトル」である。
その中で「本能」とよばれ、
とくに生物の一部だけに託された大脳の中に
この「精神世界」は発現する。
「本能」とは当初、
「生命世界」の全ての生物がもつ生命維持と種の保存、
そしてその拡大のための力学である。
そしてそれは
「有機物が有機物を求める力」として発現した。
だがその原理は、
原子が持つ重力と同じ構造の力学であった。
ひとつの有機物と他の有機物が
重なり融合した結果、
そこに有機物の抜け落ちた「空白の有機物の空間」が生まれる。
この空間が自らの内外の有機物を
元の場所に引入れようと求めた結果、
そこに欲求(力学、あるいはベクトル)が生まれ
それが本能と認識される。
この本能を持つ有機物が生命体である。
この力学、
すなわち本能にしたがうことによって生き物たちは、
より効率的な活動で自らの生産力を高め、
生命維持とその拡大を容易とする。
個の広がりは全を高め、
全の拡大は個を引き上げる。
それらは常に同じものである。
この「本能」も無の概念をもつ「命(個)」が、
完全無の概念である「生命世界(全)」を生みだすために
命に宿った「生命原理」なのだ。
宇宙に「連鎖する力学」が本能。
生命世界にも連鎖を創りだすために
本能は働く。
有機物の「同じ有機物を求める欲求」は、
生命の概念をより強く
よりたくましくものへと変えていくのだ。
そこに命の連鎖として生態系が生まれ、
この生命世界の拡大、
すなわち多様性は創り出されるのである。
しかし第6次元「生命世界」の飛躍のためには
本能は「記憶する能力」と「予測する能力」とを
新たに必要とする。
これは第5次元「物質世界」の持つ「多様性」と、
第6次元「生命世界」がつくりだしたそれ以上の「多様性」に、
生命自体が更に適応するために求めた能力である。
そしてその能力を
獲得することによって生まれたものが「精神世界」、
あるいは「感情」ともよばれる「認識する本能」である。
この「認識する本能」の出現は、
第5次元「物質世界」と、第6次元「生命世界」にも、
「更なる多様性」を創りだしていく。
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